ポルトで大西洋に注ぐドウロ川は、上流ではポルトガル北部の山岳地帯を流れます。このドウロ川上流地域はアルト・ドウロ(Alto Douro)と呼ばれ、あの世界的に有名なポートワインの産地となっています。川沿いの山の斜面には段々のブドウ畑が広がり、その美しい景観と伝統的なポートワインの製法が2001年にユネスコの世界遺産に登録されました。
アルト・ドウロの主要な町の1つがレグア(Regua)。古くからポートワインの集積地として発展してきました。ポルトから東へ約100km、19世紀末にポートワイン運搬用に敷かれた鉄道に乗って行くこと約2時間。途中からはずっとドウロ川沿いを走り、悠々とした川の流れや、10月終わりになって既に収穫が終わっているブドウ畑が窓から目に飛び込んできます。気分はまさに「世界の車窓から」そのものでした。
レグアでは、ポートワインのワイナリーを訪ねてみました。「Quinta do Castelinho」という駅から歩いても程ない距離にあるキンタ(Quinta、荘園)。ブドウ畑の中に観光客向けの即売所があり、そこでポートワインの試飲を楽しむことができます。飲ませてもらったのは白ブドウから造られたホワイト。今回のものは香りが少し弱く残念でしたが、ポートワインの最たる特徴である濃厚な甘味の中に白独特の爽やかさが感じられました。なかなか面白い味わいです。もっと美味しい銘柄があろうはず。滞在日数がもう少し長ければ飲み歩きをして探し当てたかったのですが。
アルト・ドウロには特段目立ったアトラクションはありませんが、のんびりと過ごすのにはオススメです。ここに向かう途中は車窓からの風景を楽しみ、そしてここではドウロ川沿いのベンチに腰掛け流れに目を遣りつつ心を空っぽにしていく。とてもリラックスすることができました。
なお余談ですが、ここを訪ねた10月26日、日中の気温は29℃まで上がりました。何なんだこのロンドンとの気温差は!
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